A Deabetic Life - 糖尿病の生活

A DEABETIC LIFE

− 糖尿病が進行すると(合併症について) −


合併症とは? 糖尿病性神経障害(三大合併症1)
糖尿病性腎症(三大合併症2) 糖尿病性網膜症(三大合併症3)
白内障 大血管障害(動脈硬化)
脳卒中、脳梗塞、脳内出血 心筋梗塞、狭心症
壊疽 その他の合併症


■合併症とは?
糖尿病は、それ自体は大して恐い病気ではありません。せいぜい自覚症状が出てきて生活が一変するくらいです。自覚症状の段階では死ぬことはありません。
しかし、病状の進行に伴って様々な合併症が出てきます。糖尿病になっていなければ発病しなかったかもしれない病気達です。糖尿病が引鉄となって起こる合併症は、目が見えなくなる、足を切断する、人工透析を受ける、という生きていられる病気と、心臓の血管が破れる、脳の血管が破れる、という死んでしまう病気があります。
どちらにせよ、こうなってしまったらまともな社会生活を送ることは不可能になりますし、行き着く先は「死」です。
次に、どのような合併症があるのか、それが何故引き起こされるのかを、私が理解している範囲で記載します。要するに「こうなりたくなかったら予防をしよう」ということです。
糖尿病の初期段階には自覚症状がありません。自覚症状が出てきた時には重度の糖尿病患者になっています。既にこの時点で合併症が出てきているという場合も少なくありません。また自覚症状がまったくない状態のまま病状が進んでいき、突然糖尿病の合併症として表面化する場合もあるのです。
自覚症状がないから、と安心していると足元をすくわれる。それが合併症です。
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■糖尿病性神経障害(三大合併症1)
糖尿病の合併症の中で、最も早く表面化すると言われているものです。糖尿病が割合初期の段階から出る場合もありますし、重度の患者となってから数年経って気付く場合もあります。
血糖値が高い状態が続くと、末端神経に異常をきたします。血糖値が上がると神経や血管の細胞で「アルドース還元酵素」というものが活発化して「ソルビトール」という物質を作り出します。細胞内に蓄積されたソルビトールは細胞内の水分を増やすため、細胞が酸欠状態になり、その結果神経や血管が破壊されていくということになります。
破壊されるのは末端神経だけではなく、自律神経も同様です。
こうなると以下の症状が表れます。
・便秘または下痢
・発汗異常
・立ちくらみ
・傷が治りにくくなる
・傷が化膿しやすくなる
・出来物があちこちにできる
・手足の先が冷たい
・手足の先がしびれる
・歩くときにゴツゴツした感じがする
・寝ているときにこむら返りすることが多くなる
・皮膚のかゆみを感じ、掻いてもかゆみが取れない
・膝から下が痛くなる
・温度変化に鈍感になる
・温度変化を感じなくなる
・痛みを感じなくなる
・インポテンツになる
・顔面麻痺になる
・外眼筋麻痺になる
・突発性難聴になる
神経線維そのものが傷んでしまうと、温度や痛みを感じなくなるので、火傷や怪我に気付きにくくなります。その傷口が化膿していることにも気付かないことも大いにあるようです。この状態を放っておくと壊疽(えそ=腐ってしまった状態)となり、足を切断しなければならなくなります。
下痢や便秘などは胃腸の調子が悪いせい、としか思わなかったり、発汗異常や立ちくらみなどは疲れや睡眠不足などから起こるとしか思わなかったりしていると、糖尿病になってしまっているサインを見落とすこととなり、治療が遅れる原因になります。
治療が遅れた結果、取り返しのつかない症状へと発展してしまう恐れもありますので、糖尿病になる因子を持っている人はわずかなサインも見逃さないようにして、早期発見に努めましょう(それよりも糖尿病にならないことのほうが大切ですけれど)。
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■糖尿病性腎症(三大合併症2)
血糖値が高い状態が長く続くと、細い血管(細小血管、というそうです)がダメージを受けます。中でも腎臓の中にある細小血管が(腎臓が血糖の貯蔵庫という役割上)一番危険にさらされるわけです。
腎臓は、体内の老廃物や毒素を濾過し、尿にして体外へ排出してくれる役割を果たしています。
もし腎臓の中の細小血管や糸球体(しきゅうたい)という濾過装置が壊れてしまうと、老廃物や毒素が濾過されずに体内に留まるようになりますし、老廃物や毒素の代わりにタンパク質が体外に排出されるようになってしまいます。これが腎症です。
尿にタンパクが出てはいけない、というのはこのためです。
老廃物や毒素が溜まっていった腎臓(既に腎症にかかっている腎臓)は、腎不全へと移行します。こうなると人工透析といって、老廃物や毒素を取り除く治療を受けなくてはなりません。この治療には膨大な時間と費用を必要とします(私の親戚で、1日おきに病院に行き、1回当たり7〜8時間かけて人工透析をしていた者がいました)。
やがて腎不全は尿毒症という、致命的な疾患へと移行する可能性もあります。
人工透析を受けるようになってしまうと、もう通勤通学は不可能になります。まともな社会生活を送れなくなるばかりか、尿毒症という死神の顔にも怯える生活を余儀なくされるのです。
1年間で人工透析を受け始める患者は約8,000名に登るそうです。しかし、2型糖尿病患者であれば、インシュリン注射によって腎症へと発展する可能性を100%防止できた、というデータもあります(強化インシュリンと呼ばれるもので7年間行なった実験データということです)。
糖尿病患者であるのならばさっさと覚悟を決めて合併症にならない、または進行を抑制する努力をすることが懸命であると言えます。
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■糖尿病性網膜症(三大合併症3)
血糖値が高い状態が続くと血管がもろくなるのは何度も説明している通りですが、もろくなった血管が目(網膜)の血管だと、この病気になります。
網膜とは、目玉の一番奥深くの内側の壁の部分を指します。
この部分の毛細血管がもろくなって破れることを眼底出血と言いますが、こうなったら危険信号です。糖尿病と診断されるとすぐに眼科で検査を受けなければならなくなるのですが、この眼底出血を確認することが目的です。
軽度の眼底出血なら血糖値を下げることで治ります。
しかし眼底出血がいくつもいくつもできると、身体はその部分の血管を修復しようとはせず、新しい血管を作って対処しようとします。しかしこの新しい血管も生まれた時からもろい血管なので、また破れます。これを繰り返していくと、網膜が眼底から剥がれ落ちる部分が出てきます(網膜剥離ですね)。この頃には既に視覚障害が出てきます。見えない部分ができたり、常に視界に星のようなものが見えたりしてきます。
こうして網膜が眼底からどんどん剥がれていくと、視力が落ち、急激に失明に至ります
軽度の眼底出血(1〜2箇所の出血)ならば治るのに、長く糖尿病を放っておいた結果、失明に至るとは何とも恐ろしい病気です。
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■白内障
血糖値が高くなった結果、細胞の代謝が阻害されるので、目のレンズにあたる水晶体を常に綺麗にする機能に障害が出る場合もあります。
カメラのレンズが曇っていると、撮影した写真もボケてしまうのは理解できるでしょう。その状態が目にも表れるのです。
こうして水晶体が濁っていって、霞がかかったように見えたり、視力が低下することを、白内障といいます。
白内障は年齢を重ねると出てくる場合が多くなりますが、糖尿病が原因だと年齢に関係なく発病するようです。糖尿病はあたかも老化を促進させるような現象を引き起こすという訳です。
白内障は手術で回復するようですが、目の手術なんてゾッとしますし、元々のレンズを綺麗に保つ機能が破壊されているのですから元の木阿弥になってしまうと考えられます。
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■大血管障害(動脈硬化)
細小血管がダメージを受けるということは、当然動脈などの太い血管もダメージを受けている、ということになります。動脈の内壁が弱くなると、血中のコレステロールが内壁に付着しやすくなり、動脈硬化を起こします。つまり動脈で血液の流れが悪くなったり、最悪動脈の壁を破ってしまったりするのです。
血液の流れが悪い、または破れてしまってそれよりも先に血液が行かない、という状態になると、血液から酸素や酵素を受け取っている細胞が死んで行きます。死んでしまった細胞は元には戻りません。この細胞が死んでしまう状態が起こる場所によって病名は変わりますが、どの道、それは死に至る可能性が大きい訳です。
糖尿病では足に異常が出やすくなるのは前出の通りですが、足に動脈硬化が表れることで下肢閉塞性動脈硬化という病気になり、壊疽などへとつながります。
糖尿病患者は健康体の人よりも10年早く動脈硬化になりやすくなると言われています。
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■脳卒中、脳梗塞、脳内出血
脳内で動脈硬化が起こり、出血性脳血管障害となる、つまり脳内で血管が破れた状態になることを、脳内出血くも膜下出血、などと言います。虚血性脳血管障害、つまり脳内で血管が詰まった状態になることを、脳梗塞(脳血栓)膿閉塞脳軟化症、などと言います。これらの脳の病気を脳卒中とまとめて言う場合もあります。
死に至る可能性が充分にある病気であると言えます。
脳卒中によって様々な障害を抱え、それでも懸命に治療を続けていらっしゃる方も大勢いらっしゃいますが、糖尿病患者が自らその仲間になることはないと考えます。
糖尿病であると診断されたのならば、脳卒中になる可能性が高まったという認識をし、医師の指導の下、正しい治療を遵守してこれを回避することが、当然のことだと考えます。
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■心筋梗塞、狭心症
心臓の環状動脈で動脈硬化が起こると、心筋梗塞狭心症となります。心臓自体が停止したり動きが悪くなるのですから、当然死に至ります。
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■壊疽
神経障害が神経線維を侵して起こるものが壊疽(えそ)です。
神経線維がダメージを受けると、痛みを感じなくなります。
また血糖値が高い状態は、神経や血管の酸素不足を引き起こし神経や血管の細胞の代謝が阻害されるため、傷が治りにくくなります。
手や腕の傷に気が付かないことは少ないでしょうが、足の場合、見えない部分だけに「治らない傷」が放置されることになります。
放置された傷からは細菌が入り込み、化膿させます。化膿すると余計に血液中に毒素を運びますし、化膿している部分は治っていきません。
こうなると、傷口が腐っていきます。これが壊疽です。
壊疽となった部位は切断して毒素の流出を止めるしか手がなくなります。腐った部分が元に戻ることはないので、切り捨てるしかないわけです。
糖尿病によって足を失った方も大勢いらっしゃるようです。
足に靴擦れや切り傷、水虫や深爪などができないよう、日頃から身体を清潔に保ち、足のケアを充分にして、壊疽を回避しましょう。
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■その他の合併症
胃下垂
 胃下垂自体はそれ程恐ろしいものではないのでしょうが…。

膀胱障害
 腎臓に受けた障害は膀胱にも移行し、最悪尿毒症で死に至ります。

皮膚感染症
 臀部膿皮症などの強烈な痛みを伴う症状が出ます。身体中出来物だらけに。

脂肪肝、肝硬変
 フォアグラ化した肝臓は、やがて肝硬変を引き起こし、死に至ります。

胆石症、胆のう炎
 胆石で痛い思いをしたり、やがて胆のう炎となり苦しんだりします。

慢性膵炎、膵石症
 インシュリン等のホルモン分泌に異常をきたし、余計に病気を悪化させます。

歯周病、歯槽膿漏
 非糖尿病者の20%増しで発症すると言われています。

高血糖性昏睡
 昏睡状態になり、腎不全心不全を引き起こし、死に至ります。

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